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オリジナルTシャツの作り方|小ロット・1枚から作れる方法を徹底解説
オリジナルTシャツは「白Tに何で刷るか」でコスト・仕上がり・最小ロットがほぼ決まります。1枚だけならインクジェット(DTG)か熱転写、揃いを大量に作るならシルクスクリーンが基本。シルクは版を作るため枚数が増えるほど1枚単価が下がり、DTGは版が不要なので1枚でも単価が変わりません。この記事では生地のオンス・番手といった素材規格から、印刷の温度・dpi・時間、小ロット相場、そして販売・輸出で必ず関わる表示義務(家庭用品品質表示法/米国FTC/EU)・PL法・CO2排出量の目安まで、実数で解説します。
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材料・素材の選び方 材料 ポイント
ボディ(白Tシャツ生地) 定番は5.6oz(オンス)前後の天竺(平編み)。1oz≒28.35g/yd²。5.0〜5.6ozが「適度な厚み・着心地・デザイン映え」のバランスで日本の標準。6.0oz以上はヘビーウェイト
糸番手(綿糸) Tシャツは概ね16〜40番手を使用。数字が小さいほど太く厚手・重い生地に。20番手前後がスタンダード。発色重視なら短繊維を除いたコーマ糸(光沢・染色後の発色が良い)、コスト重視はカード糸
プラスチゾルインク(シルクスクリーン用) PVC系。約150〜160℃で熱定着(キュア)して初めて洗濯堅牢性が出る。不透明で発色が強く、色を重ねやすい。ラバー/水性インクは風合いが柔らかいが定着管理がよりシビア
DTG用テキスタイルインク+前処理剤 水性顔料。綿100%(または高混率綿)が前提。濃色ボディは白インクの下地+前処理剤(プリトリートメント)が必須。化繊・撥水加工生地は不向き
熱転写シート/DTFフィルム カッティング用塩ビシート、インクジェット転写紙、またはDTF(フィルム転写)。素材を選ばず万能だが、プリント部は光沢・ややゴワつく。熱プレスは「最も低い温度から始め、冷めてから剥がす」が基本
メッシュスクリーン(紗)+感光乳剤 シルクスクリーンの版。メッシュ数が高いほど細密表現向き(細線・ハーフトーン)、低いほどインクが厚く乗る(ベタ・白下地)。感光乳剤を塗り露光して版を作る
作り方(工程ステップ)
製法を決める(色数×枚数で分岐) ベタ1〜4色を50枚以上→シルクスクリーン。写真調/グラデを1〜数枚→インクジェット(DTG)。化繊・撥水生地や1枚だけ→熱転写/DTF。1枚から版不要のDTGは枚数で単価が変わらないのが特長
デザインデータを作る 印刷は原寸・CMYK(またはスポットカラー)・解像度はプリント実寸で300〜350dpi推奨。DTGプリンターは1200×1200dpi出力対応機もある。シルクは色ごとにレイヤー分版、文字や細線はアウトライン化。背景透過のPNG/AI/PSDで入稿
ボディを選ぶ 5.6oz・20〜30番手・天竺をまず基準に。発色重視ならコーマ糸の白。DTGなら綿100%(濃色は白引き前提)、シルク/転写は混紡でも可。サイズ・カラー展開と必要枚数を確定
製版または前処理(製法別) シルク:メッシュに感光乳剤を塗布→デザインフィルムを密着露光→水洗いで版を抜く(1色=1版)。DTG:濃色ボディに前処理剤を均一噴霧し乾燥。転写:シート/フィルムを出力・カット
プリントする シルク:スキージでインクを刷り込み、色を重ねる。DTG:ボディをセットし生地へ直接吐出(濃色は白下地→カラー)。転写:位置決めして仮固定。版ズレ・カスレ・インク量を1枚ごとに目視確認
熱定着(キュア)させる — 最重要工程 シルクのプラスチゾルは約150〜160℃で完全硬化させ洗濯堅牢性を確保(乾燥不足は1回の洗濯で割れる)。DTGはヒートプレスで定着。転写/DTFは素材別の温度・圧力・時間を守り「最も低い温度から、しっかり冷めてから剥がす」。温度・時間・圧力の3要素を素材ごとに最適化
検品・洗濯堅牢度の確認・仕上げ ズレ/汚れ/定着不良を全数または抜き取りで検品。試し刷りを実際に洗濯し剥離・割れ・色移りをテスト。販売・配布する場合はこの後に組成・取扱表示などのタグ付け(後述の表示義務)を行う
必要な設備・道具 スクリーン枠(紗/メッシュ)・スキージ・感光乳剤・露光機(シルクスクリーン) ガーメントプリンター(DTG・1200dpi級)+前処理剤スプレー ヒートプレス機(温度・圧力・時間設定可) カッティングマシン/DTFプリンター+パウダー(熱転写・フィルム転写) 乾燥・キュア用コンベアドライヤーまたはヒートプレス(150〜160℃域) デザインソフト(Illustrator/Photoshop)、版ズレ確認用の位置決め治具
ロット・コスト・納期の目安
最小ロット 1枚から作成可能(インクジェットDTG・熱転写・版代0円対応のシルクスクリーン業者)。シルクスクリーンは本来「枚数が増えるほど1枚単価が下がる」製法のため、揃いを作るなら30〜50枚以上がコスト効率の分岐点。特色指定や多色は30枚以上を条件とする業者が多い。
コスト感 1枚あたりの目安(2026年時点・国内ネット業者): シルク1色プリントは大量ロットで1枚あたり約110円〜、Tシャツ込みでも1枚539円〜の最安級事例あり。小ロット(1〜数枚)のDTG/転写は本体+プリントで1枚おおむね1,500〜3,000円台が一般的。版代は従来1版数千円だが「版代0円・1枚から」を打ち出す業者も増加。色数・枚数・ボディ単価で大きく変動するため各社の見積りシミュレーション併用を推奨(いずれも目安)。
納期 国内ネット業者で最短即日〜翌日出荷の事例あり(在庫ボディ+定番プリント時)。通常はデータ確認・製版を含め3〜10営業日が目安。多色・大ロット・別注ボディ・海外生産は2〜4週間以上を見込む(目安/要確認)。
品質・法規の注意 プラスチゾル等のキュア不足は最大の不良要因。150〜160℃域での完全定着を温度計・試し洗いで検証する DTGは綿100%(高混率綿)が前提。化繊・撥水加工生地に刷ると定着せず剥離・滲みが出る 熱転写/DTFは素材ごとに温度・圧力・時間が異なる。低温から試し、冷めてから剥離する 版ズレ・色ズレは多色シルクで発生しやすい。位置決め治具と1枚目の試し刷りで確認 販売・配布前に洗濯堅牢度(割れ・剥がれ・色移り)を実洗濯でテストする 他者のロゴ・キャラクター・写真を使う場合は商標・著作権・肖像権の権利処理が必須(無断使用は侵害)
国ごとの規制 国・地域 規制・必要対応
日本 家庭用品品質表示法の対象。Tシャツは「組成表示(繊維名と混用率)」「取扱表示(JIS L0001の絵表示)」が義務。表示者の氏名・名称と住所または電話番号も必須。原産国表示は同法では義務化されていないが、不当景品類及び不当表示防止法(景表法)・原産国告示の観点で「Made in 〜」等の誤認表示は不可。下げ札・縫付けで見やすく表示する
米国(USA) Textile Fiber Products Identification Act等によりFTCが規制。①繊維組成(5%超の繊維は一般名と重量%)②原産国(輸入品は"Made in [国名]"を恒久・可視に。米国製で輸入素材なら"Made in USA of Imported Materials")③製造者または責任事業者(RN番号等)を表示。さらにFTCのCare Labeling Ruleで洗濯等の取扱表示を恒久的に縫付け。CBP(税関)とFTCが輸入時に取締り
EU Regulation (EU) No 1007/2011により繊維組成表示(例:100% cotton)が義務。動物由来の非繊維部分があればその旨も表示。ラベルは耐久性があり読みやすく、しっかり装着されていること。洗濯ケアラベル・原産国・サイズ・製造者表示は同規則では必須ではないが、加盟国法・GPSR(一般製品安全規則)・業界慣行で求められる場合がある。なお衣料品にCEマークは通常不要(CEは別の製品安全指令の領域)
英国(UK) EU離脱後も実質EU 1007/2011を踏襲したUK Textile Products規制で繊維組成表示が義務。表記言語・市場別ラベルの差異に注意(要確認)
表記・ラベル義務 組成表示:使用繊維名を指定用語で、混用率の高い順に質量%で表示(全体表示/分離表示を選択。許容差は例:100%表示で毛-3%・毛以外-1%、5の倍数表示は±5%以内 等) 取扱表示:JIS L0001の絵表示を『洗濯→漂白→タンブル乾燥→自然乾燥→アイロン→ドライクリーニング→ウエットクリーニング』の順に並べる 表示者情報:氏名または名称と、住所または電話番号を表示 装着方法:下げ札・貼り札・縫付けで見やすい場所に。取扱表示は容易に取れない方法(縫付けが一般的)で付ける 米国向け:繊維組成(5%超は一般名+重量%)+原産国"Made in 〜"+責任事業者(RN番号等)+ケアラベルを恒久装着 EU向け:1007/2011に基づく繊維組成表示(例 100% cotton)、動物由来非繊維部分があればその記載 CE/技適:綿Tシャツ単体ではCEマーク・技適は通常不要(電子部品やLED等を内蔵する特殊製品は別途該当規制を確認)
製造者責任(PL法) 製造物責任法(PL法)の対象。製品の欠陥で人の生命・身体・財産に被害が生じた場合、製造業者等が損害賠償責任を負う。アパレルはOEMが一般的なため、自社名やブランド名をタグ表示した者(=製造業者と誤認させる表示をした者を含む)が責任主体になり得る点が重要——「縫製はOEM任せだから無関係」とはならない。想定される欠陥例は、染料・インクによる皮膚障害、装飾パーツの脱落・誤飲、想定外の発火・縮み等。欠陥が判明したら早期にリコールすることで重大事故を抑止でき、経産省の「リコールハンドブック」(日本アパレル・ファッション産業協会が案内)が実務指針になる。ロット番号管理等のトレーサビリティを残しておくと、回収範囲の特定と責任の切り分けが容易になる。
環境・CO2排出量
カーボンフットプリント(目安): 綿Tシャツ1枚のライフサイクルCO2排出量は、製法・重量・生産地で幅があるが、目安として概ね4.5〜8.5kg-CO2e(平均約6.5kg-CO2e)。研究・ベンチマークでは中央値3.0kg前後の試算から、洗濯使用フェーズまで含めると11kg超(平均11.54kg、6.91〜18.25kgの幅)とする報告まで存在する。寄与の内訳は概ね製造(縫製・染色のエネルギー)約49%・消費者の洗濯約34%・綿の栽培約13%が目安(いずれも調査値の目安であり、報告・調達・コンプライアンス用途には個別LCAが必要)。
生産より「使用フェーズ(洗濯・乾燥)」が排出の3割超を占めるため、低温洗濯・自然乾燥を促す取扱表示が環境貢献に直結
オーガニックコットン/リサイクルポリエステル等の素材選択は栽培由来の排出(約13%)に効くが、製造・使用フェーズの方が影響大
小ロット・受注生産は売れ残り廃棄(デッドストック)を減らし、過剰生産の環境負荷を抑える
水使用:綿は栽培・染色で水を大量消費。プリントは水性インクや無版のDTGで廃液・洗浄水を削減できる
厚手(高oz)ほど原料・輸送の負荷が増える。用途に対し過剰なヘビーウェイトを避けるのも省資源
よくある質問
1枚だけでもオリジナルTシャツは作れますか? 作れます。版が不要なインクジェット(DTG)や熱転写なら1枚から単価が変わらず注文できます。シルクスクリーンも『版代0円・1枚から』を打ち出す業者が増えていますが、本来は枚数が増えるほど1枚単価が下がる製法なので、揃いを大量に作るとき向きです。
シルクスクリーンとインクジェット(DTG)はどう使い分けますか? ベタ1〜4色を50枚以上の『揃い』はシルクスクリーンが堅牢・低単価。写真調やグラデーションを1〜数枚作るならDTGが向きます。DTGは綿100%が前提で、化繊や撥水生地には不向きです。
洗濯してもプリントが剥がれないようにするには? カギは熱定着(キュア)です。シルクのプラスチゾルインクは約150〜160℃で完全に硬化させて初めて洗濯堅牢性が出ます。見た目が刷れていても定着不足だと1回の洗濯で割れます。納品前に実際に洗濯テストをしてください。
生地の『オンス(oz)』『番手』とは何ですか? オンスは生地の重さ(厚み)の単位で1oz≒28.35g/yd²。5.6oz前後が日本の定番です。番手は糸の太さで、数字が小さいほど太く厚手になります。Tシャツは16〜40番手、20番手前後が標準。発色重視ならコーマ糸が向きます。
作ったTシャツを販売するときに必要な表示は? 日本では家庭用品品質表示法により組成表示(繊維名と混用率)とJIS L0001の取扱絵表示、表示者の氏名・連絡先が義務です。米国向けはFTC規制で繊維組成・原産国・責任事業者・ケアラベル、EU向けは規則1007/2011の繊維組成表示が必要です。
海外(米国・EU)に売るときの注意点は? 米国はFTCとCBP(税関)が輸入時に取締り、繊維組成・"Made in 〜"の原産国・責任事業者(RN番号等)・ケアラベルが必須。EUは1007/2011で繊維組成表示が義務です。綿Tシャツ単体ではCEマークは通常不要ですが、市場ごとに言語や追加表示が異なるため事前確認が必要です。
MUなら、言うだけ。 ここまで読むと分かる通り、自作の難所は「デザイン」ではなく、製法選定・キュア温度の管理・そして販売時の表示義務(組成/取扱絵表示/原産国/FTC・EU規制)とPL法対応です。MUなら、作りたいものを言葉で伝えるだけで、最適な製法・ボディ選定からプリント・タグ付けまでの工程を自分で抱え込まずに済みます。そして、その依頼はそのままMUの発注・出荷管理に乗るので、1枚の試作から販売ロットまで一貫して追えます(誇張なく、できる範囲で工程と表示対応を肩代わりする、という意味です)。まず1枚、言葉で頼んでみるのが最短です。
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